25.フォークは？ ページ25
・
触れた先生の指は暖かくて優しいし
私を見下ろす瞳は柔らくて全部を忘れて蕩けてしまいそう。
先生のせいでツラい思いをした訳じゃないし
ただツラいだけの毎日でもなかったはずなのに
どこまでも優しい瞳でそんな事を言われたらなんだか涙が出そうになってしまうけど
「翔さん、人んちでそれ以上手出すのやめてね。」
カウンターからちょっとだけ意地悪そうな声が聞こえて
コトンとアサリのパスタが差し出され私の頬からは先生の手が離れたから
深呼吸をしてぐっと涙を堪える事が出来た。
「残念、止められた(笑)」
「自分んち直ぐそこなんだから自分んちに連れ込みゃいいじゃん。」
「・・・連れ込んでいい？」
いたずらっ子みたいな顔して笑った先生が私を見てるけど
いやいやいや、冗談、よね？
「だ、ダメに決まってるじゃないですか！」
「残念(笑)ま、そのうちね。」
そ、そのうちって！
そんなにニコニコしながら言われたらもうどうしていいか分からないんだけど。
「ほら、食べて食べて。マツジュンの飯ちょー美味いから。」
「いただきます。」
艶々ですごく綺麗なアサリのパスタなのにフォークが出てくる様子もなくて
隣の先生はやっぱり当たり前のように割り箸で食べてる。
なんか違うんだよな〜・・・
でも割り箸で食べたパスタはあまりにも美味しくてビックリしてしまう。
さっきのサラダもだけどこのパスタも今まで食べた事のあるどのパスタよりも遥かに美味しくて
それはもしかしたらいつも先生が食べてるからかもしれないけど
多分それだけじゃなくてホントに今まで食べたどのパスタよりも美味しい。
まさかこんな定食屋でこんなに美味しいパスタが食べられるなんて・・・
「・・・って！えーっ！」
「なになになに(笑)！」
「『寄りによってマツジュンとこかよ』ってさっき言いませんでしたっ？！」
「言った。だって飯屋なんて星の数ほどあんのにマツジュンとこって(笑)」
「いや、そうじゃなくて・・・え？マツジュン、さん？」
思わずカウンターのマツジュンさんを見上げたけど
寝癖頭できょとんとしたこの人ってもしかして・・・。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 960人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えこる(プロフ) - 米(ヨネ)さん» そして、いっぱい調子乗っちゃってくださいヽ(´▽`)ﾉどんなよねちゃんも先生は大好きだから、色んなよねちゃん見れてきっと大喜びよ(笑)またそのうちチェリーに登場してもらいたいな( ＾＾ ) (2019年4月19日 21時) (
レス) id: 010ac42581 (このIDを非表示/違反報告)
えこる(プロフ) - 米(ヨネ)さん» よねちゃん♪何度も読んで下さってありがとうございます！お星様、たくさん押して貰ったつもりでいるよ。目に見える物が全てじゃないからね。ちゃんと気持ち伝わってます。ありがとう(*´艸`) (2019年4月19日 21時) (レス) id: 010ac42581 (このIDを非表示/違反報告)
米(ヨネ)(プロフ) - (続き)もうホント最初っから私ってば愛されてたのね☆とか調子に乗ってみてもいいですか、ダメですか。ふざけてる先生も真面目な先生もカッコイイ先生も弱ってる先生も、もうとにかく何もかもが愛おしくて。相変わらずホワッと心あったかくなるお話で嬉しかったです。 (2019年4月18日 23時) (レス) id: c17294886d (このIDを非表示/違反報告)
米(ヨネ)(プロフ) - お星様が一回しか押せない事が納得できないんですが(唐突w)完結おめでとうございます！一度続きから読ませていただいてエンドしたけど最初から読み直して参りました☆愛しの翔ちゃんと素敵な恋愛させてくださって有難うございました！ぐふっ(続く) (2019年4月18日 23時) (レス) id: c17294886d (このIDを非表示/違反報告)
えこる(プロフ) - ともさん» ともさん♪無事完結しました〜！最後までお付き合いありがとうございましたm(_ _)m！ (2019年4月18日 7時) (レス) id: 010ac42581 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えこる
作成日時：2018年11月5日 23時
