103.特別 ページ13
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「それね、ノベルティで世界限定30個なんだって。」
「さんじゅっこっ？！」
「うん(笑)底にシリアルナンバー入ってるでしょ？なんかAちゃんのだけ特別だって言ってたけど？」
「え？特別？」
ぐぐっと涙を拭ってグラスの底を見てみたら
『Ｎｏ．１』の文字と私のイニシャル。
おーちゃん、だから。
分かりやすいんだか分かりにくいんだかハッキリしてよ。
早く帰って来てよ。
ちゃんとおーちゃんの気持ちをおーちゃんの言葉で聞かせてよ。
やっぱり溢れた涙と鼻水をずずっと啜ってグラスを箱に戻しパタンと蓋を閉じて袋に戻した。
「使わないの？」
「こんなレアな物使えるわけないじゃん！」
「じゃ、飾ったりしないの？」
「しない。」
「おーちゃんの事、ヤになった？」
ほんの少し見下ろした雅紀は困ったように笑って私を見上げて私の髪の毛をさらりと撫でた。
「ヤになんか、なんないよ…。」
「…そっか(笑)。おーちゃんね、向こうでしょっちゅうスケッチブック眺めてたよ。」
「スケッチブック？」
「うん。すげーヘッタクソな絵が描いてあった(笑)」
雅紀はアイスコーヒーをずずっと啜ってうはは！と笑ったけど
もしかして、それってマツジュンとこで私が描いた絵？
おーちゃん『笑えない』って言ってたのにしょっちゅうソレを眺めてるの？
ダメだ、おーちゃん。
やっぱり涙が勝手に溢れちゃうよ。
「ヘッタクソって失礼な。渾身の作なのに！」
「うん。すげー幸せそうにずっと見てたよ、おーちゃん。」
雅紀はやっぱり困ったように笑って涙が伝った私の頬を優しく撫でてくれた。
「泣かないで。おーちゃんに怒られちゃうよ。」
「ありがとう。」
「なんでありがとうなの？」
「あの日雅紀が私を見付けてくれたから。だから私、今ここで素直に生きていられるの。」
「…そっか。」
静かにそう言った雅紀はゆっくりと立ち上がったと思ったら
頬を撫でてた手の平で髪を後ろにすき流し
ほんの少し乱暴に私を引き寄せ頬に優しく口付けた。
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えこる(プロフ) - ちぇろさん» ちぇろさん♪初めまして！凹むことがあったんですね、大丈夫ですか？私のお話しでほっこりしてもらえて嬉しい！凹む事もふと出会えた事もきっと大切な分岐点ですね。こちらこそ、読んで下さってありがとうございます。 (2018年12月16日 7時) (
レス) id: 65a91b6069 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ(プロフ) - はじめまして。ふと出会って、イッキ読みでした。ちょっぴり凹んでいた今日がほっこりに変わりました。素敵なお話ありがとうございました。 (2018年12月15日 20時) (レス) id: 41e005de67 (このIDを非表示/違反報告)
えこる(プロフ) - marigd88さん» 初めまして！うわ！なんだか素敵な感想ありがとうございます(≧∇≦)そう言って貰えてホントに嬉しい。読んで頂いてありがとうございました！ (2018年2月20日 18時) (レス) id: f3db2eb862 (このIDを非表示/違反報告)
marigd88(プロフ) - 初めまして、なんだか疲れた心がスッと軽くなるようなお話に出会えて幸せです。ありがとうございます！ (2018年2月20日 1時) (レス) id: 568559de4b (このIDを非表示/違反報告)
えこる(プロフ) - あんこさん» あんこさん、コメントありがとうございますm(_ _)m涙流して貰えるようなとこあったかな…と、書いた本人既に忘れてますが、読んで貰えて凄く嬉しいです。ありがとうございました！ (2017年10月28日 22時) (レス) id: f3db2eb862 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えこる
作成日時：2017年2月17日 9時
