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「ねぇ起きて」
「ん…」
「起ーきーてってば」
実家暮らしに特に不満があったわけではないけれど、去年から一人暮らしを始めた。
ただ社会人になって、なんとなくちょっと自立してみたくて。
日曜日の今日。わたしの部屋にはお客さんがひとり。
もう夕方という時間、ソファにうつ伏せで寝ちゃっている。
昼過ぎにやってきてそう経たないうちにだったから、もう３時間くらいこの状態。
夜ちゃんと眠れるのかなぁ。
ゆさゆさと背中を揺らせばゆるりと開く瞼。
そしてゆっくりと伸ばされた腕の先。
男性にしては細い指がわたしの頬をすべって顎の下を撫でる。
って、猫じゃないんだから！ …まったくもう。
こんな風に、それこそ猫にするみたいに。
時々触れてくるのは、心臓がギュッてなるからやめてほしい。
顔を反らして一歩後ろに下がると、やっと体を起こしてあちこち伸ばしてる。
「よく寝てたね」
「んー…うん」
「ごはん食べてく？」
「うん」
まるで恋人か、はたまた母親と息子かって会話だけど、どちらも違うんだな。
高校２年生のとある日。
突然家に猫を見にくることになった藤原くん。
それは一度で終わらず、なぜかしょっちゅう家に来るようになった。
最初はリビングだったのが、いつの間にか猫も一緒に自室で過ごしたりもするようになって。
もうおじいちゃんだったポチを長い長い旅に見送った後もそれは続いて…。
そして今。
実家を出たら今度は引っ越したわたしの部屋にも当然のように来ている。
ひとの部屋でさっきみたいに寝てみたり、映画を観たり、本を読んでみたり。
自由気ままに過ごす藤原くんはまるで猫みたいで…だからつい受け入れちゃうんだろうか。
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ちょる(プロフ) - も。さん» はじめまして。たくさん褒めていただきこちらが嬉しくて叫び出しそうです…！ひとまずはもうひとつの作品の方を頑張りますね。感想頂きどうもありがとうございました！ (2020年6月7日 21時) (
レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - こんにちは！お話全て読ませて頂きました、どれも素敵なお話で胸がキュンキュンして叫び出しそうになりながら読みました……これからも更新頑張ってください！猫みたいな〜の作品の方も読ませて頂きます！ (2020年6月7日 17時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょる | 作成日時：2020年3月1日 21時
