Fischer's 短編。

｜(続き) ページ28

『初体験話ですかー…』

Aの一言に少し咳き込むマサイ。
大丈夫ですか？と彼女に心配される始末。



「平気、平気…。
そうねー、初めて○○した話…。」


『スノボーですかねー。』


「あーー！この前行ってきたやつね。
俺もそれだわ。」


『最初の方は苦戦しましたけど…
最後の方は滑れるようになって、とても
楽しかったです！』


「そうだねー。
みんな滑れるようになってたもんね。
ウィンタースポーツ楽しかった！」


『他の動画でも雪で遊びましたよね。』



マサイが口元に手を当てて笑いに堪えながら

「それ、わざと言ってますか？
あのゲームの事でしょ？それ…」



ふふ、とAが笑いながら
少し、わざとです。と言った。




「ほらーーー！
もーー…ね。 あれは事件ですよ、事件！

自分がカッコイイと思った自撮りをアイコン化ってなんなの⁈」


「ふふ…
何を仰ってやがり申し上げます。って感じですか？」


「ほんとだよーーー！！」

マサイが頭を抱えている。




『でも、フォロワーさんとか反響は良かったですよね。

私もカッコイイなーと思いましたよ！』


「………そーゆう事言うー。
酔っ払いのたわごとには付き合ってられませんな。」



マサイくんが私から顔を逸らす。
耳がほんのり赤くなっている。




『…照れてるんですか？』


「お酒のせいですよ。」


私と同じようなセリフを言っていてクスクスと笑ってしまう。



「なーに、笑ってんだよー。」


『いいえ、何でもないですよ。』


Aが普段見れないマサイの姿が見れて
機嫌がさらに良くなり、お酒が進む。




「あんまり、飲みすぎたらダメよー？」


『…………。』


Aが反応しない。
心配になって、俺が彼女を覗き込むと

ぼーっとしたままニコニコしてる。






「ぼけーっとしてると、キスしますよ。」


Aが目を丸くしながら、
マサイの方を見る。


『い、今…なんて…。』

「もう1回言ってもいいの？





ほんとにするけど。」

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