Fischer's 短編。

｜（ンダホ 続き） ページ22

「それでは、Aは三度目か…
三度目の乾杯！」

『乾杯！』


「美味しい！
酸味が程よく効いてるわー。」

『この味が少し馴染んできました。』

ふふ。と頬を染めて柔らかく微笑む。



「じゃあ、サイコロを振っていこうか！」

ジャンケンを行い、勝ったのはンダホ。
そのまま、サイコロを振った。


サイコロの目は当たり。



「え、うっそ！！ 当たったんだけど！」


『ンダホくんスゴいです！』

Aからささやかに拍手を貰う。


「うん！あ、ありがとう？

え、これどうすればいいの。」


嬉しさ半分、困惑半分といった感じになってしまった。

とりあえず、
当たり目製作者、シルクに尋ねたら
適当にそっちで決めてくれ。と言われた。



「どうしよっかー…何か話題が…。」


『うーん……。』



Aの方を見ると、ぽけーっとしている。
顔も若干赤くなってるし…酔いが回ってきたのかな。

名前を呼んでみる。反応しない。
もう一度呼んで、目の前で手をひらひらしてみる。




『………は、はい！ 何でしょう？』


「大丈夫？」


『大丈夫です！少しぼーっとしてました…
何だか心地良くて…。』


「酔いが回ってきたんじゃないかな。
最初に飲んでから時間立ってるし。」


『そうかもしれません…。』


「えっと
当たり目は……
一番、思い出に残ってる話、言ってみたいセリフ…とか…。」


『言ってみたいセリフ…面白そうですね。』


それにしようか！と言うことで
当たり目は言ってみたいセリフ、に決定。


「言ってみたいセリフかー…そうだなー。」


『んーー…。
かっこいいセリフとか言ってみたいですねー』


「ほぉー！例えば？」


『最近だと…
この前、〇曜ロードsh〇w!で放送されていた
ベイカー街の亡霊で毛利蘭の台詞なんですけど…』


「思ってたより最近だねー。」


『終盤で、蘭姉ちゃんが…

"ライヘンバッハの滝よ。コナンくん。"

と言い、列車から飛び降りる…
所が男気あってとてもかっこよかったです！』



「あー！あそこね！
ジャックザリッパーと繋がれたロープで谷底に身を投げる所ね。」


『そうです！その後の

"コナンくん、信じてるから…"


って消えていく所も切ないです。』




「いいよねー。あの作品。」


二人とも少し余韻に浸る。



「俺は何かなー。言ってみたいセリフ…。」

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