Fischer's 短編。

｜（ンダホ） ページ21

次の飲み相手はンダホ。


『ここの家絶対、お祓いした方がいいです。』


「だよねー、俺も思った。
また聞こえたんでしょ？」



嫌そうな顔をするンダホ。


『シルクくんがへたり込むぐらいですよ？』


「あー…、そうだね。」

Aには笑顔で流したが、


絶対、あれは違うと思う。



シルクに限って…


顔、赤くなってたし…
ドアの横にいる時点でおかしいし。

Aがなんかしたんだろうなぁ。
とぼんやり思った。



『とりあえず、お酒何飲みますか？』


「そうだねー…。
プロセッコのやつ飲もうかな！
Aはどうする？」


『あ、私まだ残ってて…。』


「そうなんだ…、ちなみに何が入ってるの？」


『確か、モワンジョンっていうやつです！』

え！とンダホが驚く。


「それって、炭酸入ってるよね？」


『そうなんですー…。』


「A、全部飲める？





飲めなさそうなら、俺が飲むけど…。」



さっきもシルクくんに同じような心配されて、
強がって断ってしまったけど…。

正直、全然飲みすすめられてないし、
多分全部は飲めない…。

ここはンダホくんに甘えて。



『ごめんね。
お願いしてもいいですか？』


「うん！全然平気だよ！
お酒は無理して飲むもんじゃないからねー。」


ンダホが残りをすんなりと飲み干す。
変に感動するA。


「改めて、なに飲むー？」


『ブリュットシリーズのフランソワとか気になってるんですけど…』



「あーー…！これはね辛口なんだよねー。」

辛口。って何ですか？とAが質問すると



「えっとね、
ワインは発酵によって糖分がアルコールに変わるんだけど…

糖分がほとんどアルコールに変わってると辛口になって、
糖分の一部がアルコールに変わってると甘口になるんだよ。」



『なるほどー。
つまり、あんまり甘くないんですね…。

…では、クリテールをお願いします！』



「おっけー。
俺のも飲みたくなったら遠慮なく言ってね。」

ンダホの優しさに彼女が頷き、
お互いに注ぎ合う。

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