Fischer's 短編。

｜(シルクロード 続き) ページ18

『面白い話…。』


シルクがうーん。と思い出していると

「あ、俺…
酒注いでねーや。」

『ほんとですね…何呑みますか？』

「うーん、モワンジョン呑もうかな。」


Aがシルクのコップに注ぐ。
香りがふわっと漂ってくる。

『すごく、フルーティーな香りですね。』

「な！
リンゴみたいな…感じ！

Aも他の…ってもまだ残ってるんか。」


コップには少しだけモトキが注いでくれたクリテールが残っている。

『あと、少しだけなので呑んじゃいますね。』

「無理はすんなよ？」


大丈夫です！と言って残りを飲み干す。
また、喉がパチパチするのか目をぎゅっーとつぶる。


「美味しい？」

『ｵｲｼｲﾃﾞｽ…。』


シルクが笑いながら次、何呑む？と尋ねる。

『シルクくんと同じやつが呑みたいです！
香りがとても良かったですし…』

「おっけー、

あ、でもこれ炭酸入ってるよ。確か…。
平気？」


『……

…炭酸入ってても呑んでみたいです！』



「あはははは！ 結構溜めたねー。
渋ってんじゃん。

いいのね？注いじゃって。」


こくこくと頷いたので、
シルクがAのコップに注ぎ乾杯し、
二人同時に口をつける。


「どう？」


『……とても刺激的なお味で…ごほごほ！』


「あはははは！
それ、お前が炭酸苦手だからだろ。」


『でも、香りがほんとに果実が強いので、
炭酸に慣れれば美味しいと…ごほ！』



「俺もそう思う。

だからって無理すんなよ？
呑めそうじゃ無かったら俺が残り飲むから。」



『……ありがとうございます。
でも、大丈夫です！』

シルクくんって所々に優しさが垣間見えるから
心臓に悪い…！嬉しいけれども。


「俺、面白い話思い出したよ。
しかも、Aの」


『え！な、何ですか？』


「俺ら、虹のMV撮ったじゃん？
あん時にさ…」


クスクスと笑うシルク。
Aがこれから言おうとしてる内容に気がつく。


『あれは…！シルクくんがいけないですよ！』



「あのね、服装どうする。っていう議論があったんですよ。
そん時に冗談で、曲名虹だから7色取り入れたらいいんじゃね？って言ったら

当日、Aだけ7色になってたんですよ。」



『だって、シルクくんが…！』


「あはははは！
あんな格好、原宿の女子だってしねーぞ？」

シルクが思い出しでまた、爆笑する。


さっきの、優しさとか前言撤回！
全然、優しくない！
１人、ムスッとするA。


『私だって、シルクくんの笑い話ありますよ！』

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