【文スト】猫化した (ページ43)

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内緒の約束ページ43

私がウトウトしていると、扉をノックする音が聞こえた。

すると、福沢さんの肩が一瞬バウンド。
私はビックリして膝から降りた。

福「……すまんな。」

福沢さんは私に一度誤ってから、扉に向かって声をかけた。

福「入れ。」

＿＿ガチャ＿＿＿＿

扉を開けて入ってきたのは、紛れもないあの人。

太「……お話、終わりました?」

福「あぁ。」

突然入ってくる太宰さんに内心少しホットする。

A『(緊張した～……)』

まるで今までの緊張の紐が少しほどけたみたい。

すると、太宰さんが口を開いた。

太「……何かありました?」

福「……(ギグっ)」

A『……』

そうだ……福沢さんに、膝に乗ったことは社員の人には内緒にして欲しいって言われたんだよね…

言わない方がいよね…。
絶対。

福沢さんはこの時、静かに動揺したが、また何事も無かったかのように話し始める。

福「……太宰…この事件。お前に任せる。
頼めるか?」

太「それは構いませんが…さっきは何か……

福「ではもう下がれ。」…はい…分かりました。」

太宰さんは笑顔で返事をすると、私を抱え、
「失礼します」
と言って、扉を閉めた。

そのまま、すこしの廊下を歩き、社員の待つ部屋へと戻ってきた。

今、ほかの社員さんはお仕事で出ているようだった。

太宰さんは自分の机に向かい、私を机の上に下ろした。

そして、自分は椅子に腰掛け、私の前で頬ずえをつく。

太宰さんが私に向かって手を伸ばす。
私はビックリして目を瞑った。

すると、何やら気持ちの良い物が頭を撫でた。

ゆっくりと目を開けると、太宰さんに頭を撫でられていることに気がつく。

とっても気持ちいい。
でも、少しくすぐったくて、思わず声を上げた。

A『…にゃっ！くすぐったいｯ……』

すると、今まで無言だった太宰さんが口を開いた。

太「……どうだった?社長に撫でられて………」

A『……え?』

太「……まさか…私が分からないとでも思っていたのかい?」

A『コクっ…』

太「……これは…舐められたものだね……私は君のことはだいたい分かってるつもりなのだけど。」

A『…!!』

太「(図星の時の耳の反応がわかりやすいからね…)」

太宰さんはかわらず、私の頭を撫でる。
時々顔にあたる太宰さんの手がとても気持ちいのだが…
そんな事は言えるわけもない