影山家次女、好きな子には要注意5【逆ハー】

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及川が3年になるまでの九ヶ月。



晴空は徹底的に選手を見る技術を身に付けた。



手の角度、肩の回し方、腰の使い方、膝の使い方、ジャンプの推定高度まで、


セッターである及川をコピーして、北川第一というチームを理解していった。



晴空｢(ようやっと国見が稼働してきたか、これから多めに来るよな…)｣



動揺する弟の様子を伺いながら、客観的に試合の表情を観察する。



どっちの感情移入もしない。



それが晴空のモットーであり、選手に対する最大の配慮だ。



晴空｢(応援も掛け声もしないよ、飛雄。自分で脱するんだ)｣



孤独の王様から。









及川｢このままちょっと聞いて〜｣



青城の逆転に喜び円陣を組んだついで、影山がこちらを見る中日向の速攻について作戦会議を始めた。



及川｢次の烏野に速攻が使えそうな場面があったら、飛雄は必ず“神業”の方を使ってくる。｣







ねぇ、トビオ






気付いてるよ、お前がいつもお姉ちゃんを引き留めてるから、晴空はいつも息を切らして集合時間ギリギリに来るのを。



気付いてるよ、晴空は誰よりも染まりやすくて、惚れやすいから、それで酷い目に会わないようにいつも目を光らせているのを。



気付いてるよ、人の良い所ばかり見えちゃう晴空にどんな好きな男子ができても、自分からは告白させないようにしてるのを。




ギリギリで繋ぎ止めてるんでしょ、お姉ちゃんの事。



誰よりも好きなんでしょ、お姉ちゃんの事。



禁断の恋だねぇ、選りに選ってお姉ちゃんに恋をするなんて。





及川｢…許さないよ｣







今



この位置



このタイミング



この角度で







ドンピシャ









ボールは金田一の手のひらに直撃し、









烏野コート側へ落ちた。









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