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晴空「……そういや田中」
田中「うん?」
晴空「善意でやってくれたんだろうけど、もう二度とあの場所は誰にも言わないでね」
放課後、部活が無いにも拘わらずいつものように体育館に向かう。
この学校の生徒は本当に心優しくて、晴空が部屋で一人蹲ってると知ったら確実に西谷のように励ましてくれるだろう。
だがこの晴空、人前で口角は下げたくないと思っている。
励ましてくれる間、笑わなくて良い時間は減っていく一方。
これ以上口角を下げられないエリアが減るのは晴空としても痛手だった。
晴空「言わないでね?」
田中「お、おう……」
いつもより圧力をかけてお願いさせてもらった。
二十分後。
ソワソワと落ち着かない様子の下級生。
顧問と面談をしている三年生を今か今かと待ちながらドアの方を見ていると、何やらこちらに向かう物音がした。
日向「!」
菅原「やばいやばい!早く!」
ドアの開く音、差し込む外の光、
晴空「す、スガさん…!」
誰一人として欠けていない、
四人の先輩の姿。
菅原「行くぞ、春高」
後輩は大口を開けて歓喜した。
晴空「っ〜!!」
清水「あはは、珍しい喜び方してる」
青城との練習試合で及川と岩泉三人で久しぶりに会話をした時のように、顔をギュッとし静かに喜ぶ晴空。
それを見た清水が先輩に駆け寄る部員たちを背に歩いてきた。
晴空「っ!潔子さんも一緒?!」
清水「うん、私もやる事あるから」
晴空「やったー!!飛雄!今夜は赤飯だ!!」
清水「大袈裟だなぁ」
パタパタと体育館を走り回り、喜びを体で表現する晴空。かわいい。
頬を緩めながらその様子を眺めていると、今度は駆け寄ってきて両手を包みもじもじと何かを言いたげに目を逸らした。
清水「どうしたの?」
晴空「き、潔子さんの事も、よそ見せずに見てますからね。」
清水「うん?」
きゃ、言っちゃった。
なんて可愛らしく自身の両頬を手で包んで走り去ってゆく。
他の三年の先輩の元へ行った晴空は、三人に「今日まだ構ってもらってません」と頭なでなでを強請っていた。
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mbftmm(プロフ) - 更新再開待ってますううううう( ; ; )めちゃくちゃ面白いです!!!! (2022年1月18日 1時) (レス) @page24 id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
fareleven(プロフ) - 星蘭さん» え……え、凄い!気付いてくれた!!そうなんです!美羽姉さんの名前聞いた時に名前思い付いて…!!めちゃくちゃ嬉しいです!(´>∀<`)コメントありがとうございます!頑張ります!! (2021年1月2日 22時) (レス) id: ca53b20a88 (このIDを非表示/違反報告)
星蘭(プロフ) - 少し前から思ってた。影山3兄弟の名前繋げると、「美しい羽で晴れた空を飛ぶ雄」になる!(言いたかっただけです。すみません。)5も楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年1月2日 22時) (レス) id: e03eae3599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fareleven | 作成日時:2020年12月29日 23時