二百一 ページ1
,
「お前いい加減にしろよ!!!」
体育館に響く水の音。
目を見開いて音のする方を見れば、スクイズボトルの中身を頭から被る晴空と、相当怒った様子の先輩。
状況を理解するのに時間がかかった。
晴空「…」
「いっつもいっつも味薄いんだよ使えねぇなぁ!!俺言ったよなもう少し濃くしろって!!」
新年度に比べ昼間の温度もかなり高くなった夏、遂に堪忍袋の緒が切れたらしい先輩は、塩分濃度の薄い液体を何度も晴空にぶちまける。
やりすぎだろ、そう思う頃には、自分は足を動かしていた。
晴空「だから重要なのは味ではなく発汗量との比率」
「あ?!運動量と釣り合ってねぇってか?!普段からろくに動いてねぇ癖に何様なんだよ!!」
こんな時でも口角を上げたままの晴空に駆け寄り、自分の背に隠す。
すると背中を押され横に流された。
及川「えっ」
晴空「動いてないから部活中水しか飲まずに仕事してるんです。それに最近は自主練中選手に混じって練習させて貰ってますし。そういう事はちゃんと相手を知ってから言って貰えます?あと及川さんちょっと邪魔」
「生意気な事言ってんじゃねぇ!!」
先輩の拳が晴空の顔へと向かう。
その瞬間、岩泉が晴空を抱え及川の背中を押した。
及川「えっ」
「あっ」
及川「いったぁ!!」
拳は見事及川の顔に命中した。
岩泉「……大丈夫か?」
晴空「………ありがとうございます……」
先輩の目に付かないように体育館裏まで移動した二人 。
取り敢えずジャージ脱げ、冷えるぞ。
岩泉はそう言って自分のジャージを貸そうと体育館に取りに行こうとする。晴空は脱ごうとしなかった。
岩泉「…?」
晴空「……………大丈夫です」
岩泉「どこがだよ、」
晴空「ほんとに…」
及川「もーっ、酷いよ岩ちゃん!!」
俯く晴空を他所に、及川が後ろから合流した。
先輩の力が強かったのか、及川からは痛々しく鼻血が出ていた。
晴空「ッ…」
,
357人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mbftmm(プロフ) - 更新再開待ってますううううう( ; ; )めちゃくちゃ面白いです!!!! (2022年1月18日 1時) (レス) @page24 id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
fareleven(プロフ) - 星蘭さん» え……え、凄い!気付いてくれた!!そうなんです!美羽姉さんの名前聞いた時に名前思い付いて…!!めちゃくちゃ嬉しいです!(´>∀<`)コメントありがとうございます!頑張ります!! (2021年1月2日 22時) (レス) id: ca53b20a88 (このIDを非表示/違反報告)
星蘭(プロフ) - 少し前から思ってた。影山3兄弟の名前繋げると、「美しい羽で晴れた空を飛ぶ雄」になる!(言いたかっただけです。すみません。)5も楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年1月2日 22時) (レス) id: e03eae3599 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:fareleven | 作成日時:2020年12月29日 23時