影山家次女、好きな子には要注意【逆ハー】

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レシーブの練習をする彼らを見て、昨日の澤村を思い浮かべる。



晴空｢(……傷付けてしまっただろうか)｣



態度が悪かったことに自覚がある。澤村さんがあまりいい顔をしなかったことも、気付いている。



晴空｢(…私悪女だ……悪役っぽいことばっかやってる……)｣



自分の性格の悪さに気落ちしつつ、日向の事を書き留めていると、田中が隣にドカッと座った。



田中｢だぁぁあああッ！！｣

晴空｢うわっ！どしたの？｣

田中｢腹減ったし寒いし眠い！！もうヤダっ！｣



足を放り投げる形でどかっと晴空の横に座る田中は、バタバタと騒がしく苦痛をアピールした。

どうすればいいのか迷った晴空は、取り敢えず甘ったるい声を出して上目遣いをする。



晴空｢田中先輩頑張れ〜｣

田中｢……全然嬉しくねぇ｣

晴空｢どつくぞ｣



いつも凛として表情を崩さない晴空が、

田中の為だけに、馬鹿一年坊主共がレシーブ練をする中ほぼ二人きりの状況で態々、

男が聞いたら鼻血を出すような声と表情で応援をしたというのに、



田中は頬を染めることもぜず、むしろ惨いものを見たかのような顔で言ってくるもんだから、晴空は恥ずかしくなって田中の肩を叩いた。


んなもんわかってるわ。

そう付け足して隣の田中に目を見遣ると、お腹を押さえ空腹を体現していた。



晴空｢……おにぎり…と、唐揚げあるけど……｣



田中｢えっ！食っていいの？！｣

晴空｢…まぁ、みんなの朝ご飯と思って作って来たから｣



何だこの胸きゅんもクソもねぇ会話。

相手がイケメンじゃないだけでこんなにも変わるんだな、胸の動悸。

失礼でしかない事を頭で考えながらも、唐揚げとおにぎりの入ったお弁当を一つ渡す。



田中｢…手作りですか？｣

晴空｢こんな早朝からお店に売ってるわけないでしょ｣



昨日の夜、影山がきつく抱き締めるせいで結局一睡もできなかった晴空は、

なんとか影山から抜け出し、少しだけ手の込んだ朝食と二人分の昼食を作ることが出来た。


まだ暖かいおにぎりは綺麗に握られ、サクサクの唐揚げがまた美味しそうだ。


田中がすぅとそのお弁当を見据える。



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