あいつはあの子のもの－風磨－ (ページ47)

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病室に戻ってからしばらく経った時、

『ん……』

君が目を覚ました。

風磨｢(人2)!? 大丈夫か!?｣

『…風磨…なんでここに……？

ってか、ここ…病院……？？』

目を覚ましたかと思ったら

すぐに君は質問攻め。

風磨｢…お前、倒れたんだよ｣

『あー…あの時か…

眠ってる感覚だったんだけどなぁ…笑』

眠ってるって、

こいつはどこまで呑気なんだ。

風磨｢…ったく、心配させやがって｣

『…別に、心配なんかしなくていいのに。笑

……そんなことより、(人1)のとこ

行かなくていいの？

きっと今頃｢別れたんだ｣

『…何言ってんの。笑

やめてよ、そういう冗談。

…笑えないよ』

風磨｢冗談なんかじゃない。

さっき、電話で別れようって

俺の方から言った｣

こんな状況を知って、

哀れな俺を見て、

君は喜ぶんじゃないかと思ってた。

なのに、

『何やってんのよ!!!!

今からでも遅くないから

もう一回ちゃんと話し合いなよ!!』

君はそうやっていつも俺を責めるんだ。

風磨｢……お前さ、

俺のこと好きなんじゃないの？｣

本当はこんなこと

自分から言いたくない。

でも、俺が君の立場だったら、

君とは全く正反対の反応をすると思うから。

だから、俺には理解できない

君の考えを、君の気持ちを、

知りたかった。

『……もう一度言って、

傷つくのは私じゃなくて風磨でしょ？

なら、もう二度と言わない。

できれば無かった事にしてほしい』

無かった事…？

そんなのできるわけねぇじゃん…。

『私ね、最初からわかってたよ。

風磨は、どんなことがあっても

(人1)を選ぶって。

それでも、私、自分の気持ちを

抑えられなくて。

だから、あれは、私なりの覚悟っていうか、

風磨への気持ちを忘れるための

私のわがままなの。

そんなわがままに付き合ってくれるほど

風磨は悪い人じゃないってわかってるから。

自惚れて調子に乗ってる私に、はっきりと

答えを出してくれるって

信じてたから。

…だから、私のせいで

風磨を困らせたなら、

無かった事にしたいの』

さっきまで泣いてばかりいた君が

さっきとはまるで別人のように

強く逞しく見えた。