あいつはあの子のもの－風磨－ (ページ46)

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風磨side

君は病院に運ばれてから、

ただ疲労で倒れただけだと

医者に診断され

すぐに病室へと運ばれた。

風磨｢……ごめんな…｣

何が悪いのか、

なぜ申し訳ない気持になっているのかも

わからなかったけど、

その言葉しか出てこなかった。

ゆっくりと君の頭を撫でたが、

君はまだ目を覚まさなかった。

風磨｢…｣

そして、まだ消えない(人1)への罪悪感が

さらに俺を苦しめる。

どうせ、まだ中島と一緒にいるんだろうなぁ

なんて思うと、(人1)にちゃんと謝りたい

と思う気持ちがあっても、

なかなか行動に移せない。

だがそんな時、

風磨｢…っ!!｣

(人1)から電話がかかってきた。

すぐに病室を出て

受話器に耳を当てた。

風磨｢……もしもし｣

(人1)｢ごめん、風磨…ごめん……｣

(人1)は泣きながら俺にそう言ってきた。

風磨｢…なんで(人1)が謝るんだよ｣

(人1)｢…私、健人と｢知ってる｣

風磨｢…わかってるよ。

今中島と一緒にいるんだろ？｣

(人1)｢…今は、もういない｣

…いないってどういうことだよ。

まさかヤリ捨てしたってこと…？

いや、でも、中島は(人1)の方から

誘ってきたって言ってたし…。

まさか、(人1)がわがまま言って

中島を困らせたんじゃ……

(人1)｢風磨…違うの。

信じて……お願い……!!｣

風磨｢いいよ、無理しなくて。

中島のことが好きなんだろ？

だって、元カレだもんな｢違う!!｣

風磨｢やめてよ今更そんな言い訳。

…もうこれ以上、俺を苦しめないでくれ｣

きっと、彼氏である俺以外の人と

体の関係を持ったことに

罪悪感を抱いて、

俺を必死に慰めようと

してくれているんだろう。

でも、(人1)が中島のことを好きなら、

俺が口を挟む資格なんてない。

風磨｢…(人1)。

……別れよう…｣

そう言って、俺は一方的に

電話を切った。

(人1)にとって、

これが一番いい選択なんだろう。

今は俺に情を抱いてくれていても、

いずれ中島への気持ちの方が

強くなって、

俺のことなんか無かった事のように

忘れていくんだ。

……これでよかったんだ。

涙を拭って病室に戻った。