あいつはあの子のもの－風磨－ (ページ45)

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(人1)｢……消してよ｣

健人｢どうして？｣

(人1)｢……まさか、風磨に

送ったりしてないよね…｣

健人｢何言ってんの。笑

送ったに決まってんじゃん｣

(人1)｢……っ!!｣

その時、息が止まりそうになった。

もう何もかも終わったって。

もう元には戻れないんだって。

(人1)｢…どうして、こんなこと……っ｣

健人｢(人1)のことが好きだからだよ｣

(人1)｢えっ……!?｣

健人｢別れたこと、ずっと後悔してた。

もう一度やり直したいって、

本当にずっと思ってた｣

(人1)｢…っ…そんな…｣

健人｢なぁんて言うと思った？｣

やっぱりね。

なんて思ってるくせに、

なぜか胸がすごく痛む。

健人｢嫌いなんだよね。

あいつが｣

(人1)｢…風磨のこと……？｣

健人｢何が一目惚れしただよ。

はっきり言ってキモいんだよね。

お前がどんな奴かも知らないで

告るなんて、ほんとバカなやつ｣

(人1)｢そんな、風磨のこと

悪く言わないでよ｢まだ庇うんだ？｣

健人｢だって、彼女の愚痴を他の女に言う彼氏

なんて、最低じゃない？｣

(人1)｢……私、風磨に悪口言われてたの？｣

健人｢あれっ、もしかして

知らなかった感じ？

ずーっと、Aに愚痴ってたんだよ。

だから、Aは風磨のことが

ほっとけなくなっちゃって、

風磨もAのこととなると

すごく必死になるんだよ｣

(人1)｢……やめて…それ以上聞きたくない｣

健人｢じゃあ、風磨と別れてよ｣

風磨と別れる……？

そんなの、考えられない…

(人1)｢…そんなの、

健人には、関係ないでしょ｣

健人｢関係あるよ。

だって、俺、Aのこと好きなんだもん｣

(人1)｢…いい加減にしてよ｣

健人｢何のことー？笑｣

(人1)｢今すぐここから出てって!!

もう二度と私に関わらないで!!｣

そう言って、強引に健人を

部屋から追い出した。

ﾊﾞﾀﾝｯと勢いよくドアを閉めて、

健人と二人で写っている写真が入った

大切な写真立てを

ドアに向かって投げつけた。

そして、抑えきれない怒りが涙へと変わり、

私はその場に泣き崩れた。