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風磨「……なんだよ、話って」







体育館裏につくと、

(人1)は壁に寄りかかって待っていた。








(人1)「…Aちゃんと

付き合ってるんだってね」




風磨「…っ」








(人1)「Aちゃんにさっき会ったの。




……Aちゃん、泣いてたよ」








やっぱり、さっき君が泣いているように

見えたのは気のせいじゃなかったんだと

今更 気付かされる。








(人1)「……喧嘩でもしたの?」






風磨「……そんなんじゃねぇよ」




(人1)「じゃあ、何があったのか

教えてよ」








風磨「……お前には関係ない」








そう言って、立ち去ろうとすると








風磨「……っ!!」








(人1)は後ろから俺を強く抱きしめた。








風磨「……離せよ」




(人1)「…やだ」








そう言った(人1)を無理やり引き離し、

再び向き合った。








風磨「お前さ、何がしたいの」




(人1)「……っ、


…私、"お前"じゃないよ。




……私には、ちゃんと(人1)って

名前がある」








めんどくせぇな、なんて

ふと思ってしまうのは、

目の前にいる(人1)が

もう彼女ではないからだろう。








(人1)「……ほら、前みたいに、

名前で呼んでよ。




前は あんなに(人1) (人1)って

うるさいくらいだったじゃん…」




風磨「…」




(人1)「ねぇ、答えてよ…!!」








こんな必死な(人1)の姿、

初めて見た……。








風磨「……この前、俺に言ったよな。

"幸せになってね"って。




あれは何だったんだよ…!!




そう思ってんなら、

さっさと諦めろよ!!」




(人1)「……っ」








そう言うと、君は唇を噛み締めながら

涙を零した。



























(人1)「……なんでわかってくれないの…っ。








…そんなこと、

本気で思ってるわけないじゃんっ……!!」








風磨「……それがお前の本性か」




(人1)「…えっ……?」








風磨「お前、最低だな」




(人1)「……ち、違うの…!!




これは…その……冗談っていうか…」







風磨「……」




(人1)「お願い……待って…!!」








俺は、(人1)に顔が見られないように

俯きながら、その場から走って逃げた。


























そして、誰もいない非常階段で、

俺は一人 静かに泣いた。

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抹茶もち \ ♪♪ /(プロフ) - わぁぁぁぁ、めっちゃいいお話ですね 感動して泣きましたヽ(;▽;)ノ紫月さんのお話大好きです!! (2016年3月22日 13時) (レス) id: f516db3a4f (このIDを非表示/違反報告)
xLuvx(プロフ) - 移行おめでとうございます!!これからも無理せず更新頑張って下さい!! (2015年6月14日 23時) (レス) id: aebc61ec1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫月華恋 | 作成日時:2015年6月14日 22時

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