不思議の国と恋の魔法 (ページ43)

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『テヒョンさん…』

目の前にテヒョンさんの背中が見える。

？「おや、貴方は、黒のキングじゃありませんか。」

？「いいですよ。貴方から先に消して差し上げます。」

そう言って、その人はまた魔法を使おうとする。

『テヒョンさん!!』

いくらテヒョンさんでも、魔法は避けられない…

私も、もう防御する力が残ってない。どうしたら…

すると、テヒョンさんは、

テテ「A、目を瞑ってて。」

そう言って私を抱きしめてくれる。

私は言われた通り目を閉じる。

その瞬間。

ﾋﾟｶｯ

鋭い光とともに凄まじい風がふく。

目を開けると…

研究者達が倒れていた。

そして

『テヒョン…さん』

テヒョンさんの目が、赤くなっていた。

テテ「…見ないで」

そう言うテヒョンさんの顔は泣きそうで、悲しそうな顔をした。

テテ「いつ目が覚めるか分からないから、早く行こう。」

そう言って私の手を取り走っていく。

少し走り、テヒョンさんは走るのをやめた。

テテ「ここまで来れば大丈夫かな」

そういうテヒョンさんの目はもう赤くなっていなかった。

テテ「…怖くなった？」

テヒョンさんが悲しそうな、諦めた顔で聞いてくる。

多分テヒョンさんがさっき使ったのは…"魔法"だ。

色々聞きたい事とか沢山ある…でも、

『怖くないです。』

テテ「でも…!!」

『テヒョンさんのことを…怖いと思いません。』

だって、テヒョンさんの優しさを、私は知ってるから。

さっきの魔法も、私を守るための物なんだし…

『思うわけ…ないじゃないですか』

そんな事思うはずがない。

テヒョンさんは困ったように、でも嬉しそうに

テテ「そっか」

そう言って、笑った。

でも、テヒョンさん少し疲れているみたい。

魔法を使ったからかな…？

黒の兵舎に着くと同時に、テヒョンさんは意識を手放した。