ep.50 偵察サイレント！ ページ7
．
「…なんですって？監督生さんがレオナさんと？」
「うん。サバナクロー寮の談話室で
マヌケに作戦会議してたよ」
「なるほど……
それは、少しばかり予想外の展開だ」
ここはオクタヴィネル寮談話室。
就寝時間はもう過ぎ、寮生は全員夢の中
……私達を除けば
「しかもレオナ先輩、
ご丁寧にユウに入れ知恵までしちゃってさ。
いやあ、流石レオナ先輩だよね
契約書の弱点に気付いてた。
これは明日にでもユウ達は契約書を破りにくるよ」
「へぇ〜、よく知ってんじゃん」
「まさかレオナさんが監督生さん側に付くとは…」
「どーする？絞めちゃう？」
アズールは眼鏡をあげて慎重に答えた
「……いえ、レオナさんについては
放っておいてもいいでしょう」
「敵に回すと厄介な相手では？
早めに手を打っておいた方が……」
「彼は基本的に怠惰な雄ライオン。
面倒ごとに首を突っ込まない主義だ
もちろん、敵に回せば厄介という意見には同意ですが
……それは相手も同じこと
彼らも好き好んで僕と対立しようなどと
思わないはずです。そうでしょう？グレース」
「そうだね。見た限りだと入れ知恵だけして
ユウ達を使って
漁夫の利を得ようって腹積りだと思うよ。
アズール、レオナ先輩と前に契約したんでしょ」
「守秘義務がありますので」
あのレオナ先輩がアズールと契約するなんて
よっぽどの事があったんだろう
「グレース。彼らは他に何か言っていましたか？」
「ううん。これからの動向に関係ある話は
契約書のことだけだったよ」
「そうですか。
では引き続き彼らの監視を頼みましたよ」
「はぁい」
そう、マヌケな返事をした。
一瞬レオナ先輩が私の視線に勘付いた事は
言わないでおこう。
「しかし読唇術とは便利なものですねえ」
「ええ、隠密行動や偵察にピッタリです」
「僕も身につけてみましょうか」
ジェイドはニッコニコしている
「存外面白いよ。慣れると雑踏の中でも
誰が何を言ってるのか手に取るようにわかるし」
「ねぇねぇグレース！
今から俺が口パクするから当ててみて！」
フロイドがグンと顔を突き出して
パクパクと口を開いた
「“今日の賄いはミックスピザ”ね」
「正解〜！」
「フロイドのビザは美味しいから良いけど、
トマトは入れないでよ」
「わかってる♡」
「その顔怪しい！」
私はおもむろに席を立った
「どうしました？」
「ちょっとトイレ」
．
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神崎(プロフ) - 桜澤さん» コメントありがとうございます！私も自分で書きながらグレースちゃんが心配です…！どうか最後まで彼らを見守ってあげてください！ (2020年12月27日 9時) (
レス) id: 57b89da2fa (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - (･ω･`;)=(;´･ω･)ｱﾀﾌﾀ グレースが心配っ……みんな仲良くなれればいいな……（願い (2020年12月27日 6時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 | 作成日時：2020年12月18日 23時
