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アズールが落胆する中、
そんな彼を横目に、双子は神妙に目配せをしていた。
(ねえジェイド)
(ええフロイド。僕も気付いています)
部屋に充満しているのは
甘ったるく、ネットリ鼻腔にこびり付くアロマの臭い
……そしてほのかに鼻にツンと付く刺激臭
「どうやらグレースは僕達よりも早く
ここを出てしまったようです」
「そうみたいですね…」
「そろそろ出ましょう。ここに長居するのは
グレースに失礼です」
そのジェイドの言葉で三人は部屋を出た。
しばらく歩くと、いきなりフロイドが声を上げた
「あ、マジカルペン部屋に忘れた〜」
「はあ？何をしてるんですか貴方」
「アズール先に食堂行っててぇ〜、行こうジェイド」
「はいはい」
双子とは、不思議なものである。
お互いの考えていることが手にとる様にわかる
「ねえジェイド」
アズールの姿が完全に見えなくなるまで離れた時、
フロイドは立ち止まった
「あの酸っぱい臭い、なに」
「……前に嗅いだことがあります。
あの特有の刺激臭は、人間の胃酸の臭いです」
そうジェイドが言うと、
フロイドが呆然として振り返る
「グレース、吐いたの？」
「…恐らく」
「じゃああのアロマは、」
「臭い消しの為に焚いたんでしょう。
あの子はアロマなんて焚くお淑やかな女性じゃない」
何かはわからない。
しかし確実に自分達の知らないところで
グレースに異変が起きている
そんな予感だけがうるさく警報を鳴らしていた
「大丈夫、だよね」
「……」
「“きっと大丈夫”、なんだよね……」
フロイドは昨夜ジェイドが口にした言葉を
確かめるように口にする。
しかしその肯定を求めるような言葉は
誰にすくわれる事もなく、泡となり消えていった。
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神崎(プロフ) - 桜澤さん» コメントありがとうございます！私も自分で書きながらグレースちゃんが心配です…！どうか最後まで彼らを見守ってあげてください！ (2020年12月27日 9時) (
レス) id: 57b89da2fa (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - (･ω･`;)=(;´･ω･)ｱﾀﾌﾀ グレースが心配っ……みんな仲良くなれればいいな……（願い (2020年12月27日 6時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 | 作成日時：2020年12月18日 23時
