ep.67 逃走モリバント！ ページ36
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ベットサイドの時計は午前四時を示している。
私はゆっくり寝返りをうった
……結局あれから一睡もできていない。
16年の人生の中で、
私は何度か体調不良という症状に見舞われた。
そんな時は大抵一晩ぐっすり眠れば
次の日には全快だった。
でも私は今日この日学んだ。
本当に体調が悪い時は睡眠すら儘ならないという事を
「くっさ……」
横に置いた洗面器には大量の吐瀉物が溜まっている。
確か五、六回は吐いた。
最後らへんはもう胃液しか出てこなかった
私は吐瀉物をいい加減に処理し
部屋に入られた時用に匂い強めのアロマを焚いた
そして性別転換薬と臭い消し薬を体に流し込み、
昨日から着ているヨレヨレの寮服のまま部屋を出る
「はぁ、はぁ…、」
壁に寄りかかりながら必死に足を進める。
こんな状態を誰かに、
ましてやアズール達に見られるわけにはいかない
皆んなが起きる前になんとか寮を出なければ
「バカだな、私……」
なんだこのザマは。
何故私はこんな無様な姿を晒している
流石の私でも、対価も無しに
アズールのオーバーブロットを止めるのは
虫が良すぎたか
バタッと思わず倒れ込む。
鏡の間まであと少しなのにもう歩く力がない。
倒れた拍子に
マジカルペンが胸ポケットから落ちた。
「ははっ、まるでタコの墨」
黒く淀んで、元の色なんか見る影もない。
これ以上の黒は見たことがない。
今の私の魔法石は黒真珠よりも真っ黒
私自身がオーバーブロットするのを
抑え込む対価が今の私のこの無様な姿なら、
格安というべきか…。
なんせオーバーブロットした私が
誰かに鎮められるなんて、想像できない
……嗚呼ダメダメ。そんな想像しちゃいけない
今の私はちょっと負の感情が昂れば
簡単に闇に飲まれてそれこそオーバーブロットする。
今は何も考えるな。
アズールの事もジェイドフロイドの事も
全て忘れて、回復に専念しろ
「…やっと、……」
結局、鏡の間から鏡舎へ着くまで
一時間近くかかった
さてここから何処へ身を寄せるべきか。
植物園にはレオナ先輩がいるし
図書館には少なからず通っている人がいる。
寮に戻るなんてもっての外だし
授業なんて受けられる状態ではない。
結局私は、いつぞやの栗拾いをした
あの学園の裏の森に身を潜めることにした
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神崎(プロフ) - 桜澤さん» コメントありがとうございます！私も自分で書きながらグレースちゃんが心配です…！どうか最後まで彼らを見守ってあげてください！ (2020年12月27日 9時) (
レス) id: 57b89da2fa (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - (･ω･`;)=(;´･ω･)ｱﾀﾌﾀ グレースが心配っ……みんな仲良くなれればいいな……（願い (2020年12月27日 6時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 | 作成日時：2020年12月18日 23時
