氷の人魚姫《3》

ep.49 智恵スクイーズ！ ページ4

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「え？君らマジで珊瑚の海に行ったんすか？」


「は、バカすぎんだろ」




あれから、三人にコテンパンにされ
僕達は命からがら陸に逃げ帰ってきた。

海の中は彼らの主戦場で、
フロイド先輩のユニーク魔法も相まって
正にただの捕食対象だった。


そしてサバナクロー寮に戻って
再び智恵をもらおうと思えばこれである。

……この学園の人間は
何故こうも人格破綻者ばかりなのか




「事前の情報収集無しに
勝手に飛び込んで行ったのはお前らだろ？
聞かれりゃ、懇切丁寧に教えてやったさ」


「そうそう。
行動を起こす前はもっと用心深くならなきゃ」




いや、例え僕が聞いても
絶対貴方達はぐらかしておしまいでしたよね




「アズールのユニーク魔法は“黄金の契約書”
特別な契約書にサインを取り付ければ
その対象から能力を一つ取り上げられる。

しかも契約違反が生じた場合、違反者はアズールに
絶対服従状態にされちまうって話だ」


「発動条件が難しい魔法ほど効果は大きいと言うけどタチ悪いっスよね〜」




と思ったら、二人は
急にアズール先輩のユニーク魔法について教え始めた

……なんか怪しい。

でも、ご丁寧にもし自分だったらと置き換えて
対策案も出してくれた。

その案は納得のいくものだったし、
確かに言われてみれば
“無敵の契約書”と言われただけで
一度も自分達から破こうとしたことがなかった




「言ったろ？俺はいつだって全力を尽くすってな」


「……目には目を、歯には歯を、か。
よし、残り二日全力でアズールに張り付いて
契約書を破くチャンスを狙うぞ！」



「っ……」


「どうしました？レオナさん」


「……いや、何でもねえ」




マジフト大会から前進しているか否かは
もうこの際どうでもいい。

今は取り敢えず、
智恵を授けてくれたことに感謝しないと。




「そういやレオナさん。
オクタヴィネルと言えばグレイくんが居ましたよね」




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