氷の人魚姫《3》

ep.65 亀裂ヒステリック！ ページ29

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ヒュッと息が詰まるのを感じた。
心臓が周りに聞こえるくらいバクバク鳴るのを感じる

……嫌だ。それ以上喋らないで




「そうだ、お前も僕のことを
グズでノロマなタコ野郎とずっと馬鹿にしてたんだ！

いくら帰れと言っても僕の蛸壺の中に
強引に居座りやがって！
ずっと邪魔だった、目障りだった迷惑だった！

やればなんでも出来るお前が
僕なんかに興味を持つわけないだろ！！
嘘をつくのも大概にしろ！！」




するりと手からマジカルペンが落ちた




「なに、言ってるの……アズール」


「いいご身分だよなあグレース！！
お前は僕の隣でずっと僕のことを嘲笑ってたんだ！

何にも出来ない僕のことを
何でも出来るお前が見下してたんだ！
とても羨ましいよ！人生イージーモードで！」




嫌だ。嫌だ聞きたくない
こんな言葉アズールから聞きたくない！

お願いだからそんなこと言わないで
謝るから、つまらないって言ったこと謝るから
私にそんなこと言わないで！




「さぞかし面白かったんだろうな！！
僕が無様に足掻くのを隣で見てて！
……なあおい！耳を塞いでないで聞けよ！！」


「巻き付く尾(バインド・ザ・ハート)ォ！！」




フロイドの声がした。
見ると、アズールの攻撃を逸らしてくれていた




「フロイ、ド……」


「しっかりしてグレース！」


「今のアズールは正気じゃありません！
どうか真に受けないで！」


「ジェイドっ……」




後ろにいた二人は、
いつの間にか私の隣で私を守る様に立っていた

その時、突然頭が割れる様に痛む




「う”ぅっ！！」


「「グレース！」」




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