今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:1,094 hit
小｜中｜大
1話 ページ1
ある日。
それは突然訪れた。
『お母さん。どうしたの？』
目の前が暗くなる。周りの事なんて見えない。
だって、さっきまで私と話してたんだ。
私をぎゅーっと抱きしめてくれていたんだ。
私の頭を撫でてくれていたんだ。
＿＿今は？
声は返ってこない。私の声だけ木霊する。
私を抱きしめてくれる温もりはない。
私の頭を撫でてくれる優しさもない。
あぁ、分かった。分かってしまった。
お母さんは＿＿
“ 死んじゃったんだ”
14歳の春。
私が中学2年生になったタイミングで
病院でお母さんは死んだ。
乳がんだった。
治療を進め、着実に治ってきていた。
死亡率も癌の中では低い方だ。
期待していた。治ると信じきっていた。
でも思い通りには行かなかった。
これで私は
お父さんと2人きりになった。
この日私は
母を失った＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：hima | 作成日時：2023年7月7日 21時
