【短編集】歌い手×花×365日 (ページ3)

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となりの坂田。×クロッカス×1月3日ページ3

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「A〜また英語教えてー！！」

「は？今日も！？昨日散々教えたやん！」

1月某日、天気晴れ

予定まっさらだったはずの日曜日、しかし既にそれは幻想になった

「いくら幼なじみで敷居が低いからって…」

頼られて悪い気はしないものの、やはり休日に突然言われると、えーとも言いたくなる

「だめ…？」

「…突撃はこれで最後だからね」

「やったー！A優しい！好き！愛してる！！」

はー…そんなこと簡単に言っちゃって

お察しの通り、私たちの間に男女という関係は存在しない

全くもってない

だからといって私が恋仲を望んでいるかと言われると答えに困る

個人的には、これくらいの距離感が心地いいしちょうどいいかな〜なんて、現時点では

ただ坂田って顔だけは無駄に良いんだよね、顔だけは

羨ましい

「羨ましいって何ー？」

「えっ、あ、えーと」

しまった聞かれてた

「えとですネェ」

「なーに、そんな聞かれちゃまずかった？」

「そういうことじゃない」

「じゃ、教えて」

なんでそうなる！

最近気づいたけど実は坂田ってS気質あるよね

才能あるよね

なんなんー？やら、教えてやーとか迫る坂田はやっぱり私を女子とは見てない

ならいっか

「いや〜坂田って顔いいな〜って思って」

だから羨ましいな〜と、と弁解すると

坂田は耳まで真っ赤にしていた

予想外すぎる反応に言ったこっちもあたふたしてしまう

窮地に立たされた気分でいると

「あーもうダメだ我慢出来ん！！かわいい！無理！」

坂田が叫び出す

「なに、え、どした？」

「いやもう無理だわ可愛すぎるもん。今まで勉強を口実に一緒にいたけど無理やわ

俺Aのこと好きやねん。だから毎日でも一緒に勉強したいの！」

今度は私が真っ赤になる番だった

「っ〜〜〜！！さかたん！！」

はいっ！と坂田は姿勢を正す

どうしよ、と焦る坂田が前よりもずっと愛しい

私も気持ち言わなきゃ

でも恥ずかしくて顔を直視できない

顔を机に突っ伏したまま

「唐突なそれは心臓に悪い…」

言葉にしてから、ふたりで顔を赤くする

「へへ〜嬉しい！なんか青春やな！！」

むふふふふと坂田は満足げ

「つくづく坂田って子供みたい」

「失礼やな！！」

ほんと、これからも子供みたいなふたりで居たいな

なんちゃって

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クロッカスの花言葉「青春の喜び」