【黒羽快斗】where is my identity?【工藤新一】 (ページ6)

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父から呼び出され続ける毎日に疲れを感じる。

小学校5年生のとき、私はこの家にはいられないと家から逃げ出した。

いくら中身が高校生だろうと、辛かった。

一人ぼっちの世界ですぐに近くにいて支えて、

私を愛してくれていたはずの両親は

私のことなんて愛していなかったのだ。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

私は河川敷に座っていた。

すぐ側ではコオロギの聲が聞こえる。

ゆっくり流れていく川を見つめながら

果たして私はこれからどうなるだろうか、

そんな疑問を抱く。

けれどこのままでは行けないと思い、

日も沈み肌寒くなってきた頃あてもなく歩き始めた。

住宅街から聞こえてくる話し声、笑い声

今までだったら輝いて聴こえていたはずの音が全て煩わしい。

私は耳を塞ぎその場に蹲った。

｢なぁ、家無いの？｣

声がする。声の主を探すため顔を上げると、

そこには同い年くらいの少年がいた。

私は無言のまま彼を見つめる。

彼は少し恥ずかしそうにはにかみながら

｢帰るとこないんだったら、俺の家に来なよ！
俺は黒羽快斗な！｣

と、眩しいくらいの笑顔で手を差し伸べてきた。

私は彼の手を握ると

｢私は立石のあ。よろしくね、快斗｣

と言い彼に引かれるまま彼について行った。