暁月夜 (ページ4)

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え、他になんて呼べばいいの…。

重岡『あー、やー、そのえっと…。』

なんだ、さっきまでの威勢のいい彼はどこに行ったんだ？

重岡『神ちゃんだけあだ名やんか。
俺だけ君付けって距離感じんねん。』

いや、どんだけ人との距離近づけたいんだこの人は。

「え、じゃあなに、重岡って呼べばいいの？」

半ば投げやりな私。

早く家に帰ってメイク落としたい。

絶対今の顔ボロボロだもの。

重岡『あー、うん、それでええわ。』

なんかあまり納得いってない顔だけど、笑顔だしいっか。

「それじゃあ。」

重岡『おん。』

今度こそ重岡の家をあとにした。

あ、本当に同じマンションだったんだ。

見える景色は少し低いが、作りが同じ。

当たり前だけど。

エレベーターでここから3つ上がる。

エレベーターから降りると、そこはもう見慣れた風景。

やっと帰って来れた。

散々な朝だったわ…。

家に入り、いつの間にか切れていたケータイに充電器を挿す。

よかった、一人暮らしで。

実家から今の仕事場に通うのは、少し面倒だったため、仕事場の近くに私は引っ越した。

実家暮らしで朝帰りなんかしたら、もうお母さん激怒どころじゃないんだろうな。

なんて呑気にテレビを見る。

やっぱり、自分の家が落ち着くな。

同じような部屋の構成だったけれど、やっぱり住む人によって違うんだな。

ヴーヴー

あ、充電戻ったか。

ケータイを確認すると、かなりの量の通知が来ていた。

中でも多いのが二人。

同期の春と、これもまた同期の神ちゃん。

二人からはほぼ似たような文が来ていた。

《重岡くんと消えてたけど、そういう関係だったの？》

とか、

《しげいいやつやからな。》

とか、

《Aは、重岡くんのこと知ってたっけ？》

などなど。

はぁ。

そういう関係だったの？って、そういう関係にいやてもなってしまいました。

よりによって同期。

でもまだ部が違うだけよかったのかな。

顔を合わせる回数少ないだろうし。

春と神ちゃんにだけまともに返信をし、それ以外には同じようなことを打っていた。

…さすがに朝起きたら重岡の家にいました。なんて言えないけど。

これだけは隠さないと…。

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