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A「……でも、何でまだ指輪してんの。」
慧「そりゃ、色々あんじゃん。職場の目とか。」
A「………なんっかなー、やっぱまだ半信半疑なんだよなー、」
慧「なんでAはこんな疑い深い女になっちゃったんだろーね？」
A「あんたのせいに決まってんでしょ。信じさせてくれない慧が悪い。」
慧「んじゃ、Aにやるよ。」
指輪をするっと外すと、
それを私に向かって差し出す。
私は、いらないよと口を尖らせる。
背中をシートにつけて、
慧に向けていた体を前に向ける。
一口含むカフェラテ。
いつもと変わらない、優しい味が広がる。
慧「んー、海にでも投げるか、」
A「うわ、ありガチだけど勿体無い。どうせ見栄張って高いの買ったんでしょ？売れば。」
慧「ふは、Aらしー。」
A「人を底意地悪いやつみたいに言わないでくれる？」
慧「はいはい。」
慧が笑いながら、車のエンジンをかける。
ああ、帰るのか。
こんな中途半端なまま。
.
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作者名：環
| 作成日時：2018年5月14日 13時
