今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:58,441 hit
小｜中｜大
69 ページ20
ああ、車って便利だ。
都合が悪くなると、信号が青になる。
ハンドブレーキを下ろせば発進する。
初めて言う本音。
初めて聞く本音。
胸が落ち着かない。
目が痛い。
喉が痛い。
苦しい。
一回大きく深呼吸をすると、
鼻が大きな音を立てる。
外の景色を眺める。
見慣れた地元の街。
ここでのんびりするために帰ってきたのに、なんで初日からこんな思いをしなきゃならないんだ。
A「あ〜…なんか馬鹿らしくなってきた。」
慧「俺もー。」
A「………あんたのせいじゃん。」
慧「Aのせいでもあるじゃん。」
A「は？………まあ、そっか。」
慧「うん。あのさ。」
会話も面倒になってきたけれど、
慧はまだ話を続けようとする。
慧「A。」
A「んー？」
慧「結婚しよっか。」
慧は私を見ない。
運転中だから。
だけど、私は慧を見た。
信じられない言動に目を見開きながら。
慧が、私に一瞬視線を向けた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 297人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：環
| 作成日時：2018年5月14日 13時
