シグナルチェンジ…Kei.I… (ページ49)

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水音が止まると、軽い咳払いが聞こえた。

慧「はい。洗った。」

A「目、覚めた？」

慧「ん。あんがと。」

A「まったく…彼女にしてもらいなよ。こんなん。」

慧「あの子も朝弱ぇからさ。全然駄目なんだよねー。」

A「あっそ。」

ああ、そうか。

仲の良いきょうだいなら、
こういう感じなのかもしれない。

本当に私が、
慧ときょうだいみたいな関係になりたいなら。

ここまで下がらなきゃ、

下がって、
線を引かなきゃ駄目なんだ。

A「……慧？」

慧「んー？」

A「今まで、ありがとね。」

慧「何それ。彼氏でもできた？」

A「うん。」

顔を合わさずに言うのは卑怯だと思ったけど、
そうするしかなかった。

A「私、裕翔君と付き合うことになったから。」

慧の、
どんな顔を見るのも嫌だった。

私も、
どんな顔をしていいか分からなかった。