シグナルチェンジ…Kei.I… (ページ44)

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目の前の慧が、
酔った顔で私を探していた。

私と、慧の間に裕翔君がいる。

裕翔君が慧を引き剥がしたから。

裕翔「ちょ、いのちゃん大丈夫ー？明日大学行けんの？」

慧が、何かを見つけたように焦点を合わせる。

そしてすぐまた、へにゃへにゃの笑顔に戻る。

慧「んや、無理っぽーい。裕翔起こして。」

裕翔「いや無理。俺休みだもん。」

慧「じゃあA。」

A「無理。私一限早いもん。」

慧「なーんだよ、冷てーの。

…もーいーよ、おまえら早く帰っちまえー。」

A「あ、片付け全然してない。」

慧「いい、いい。ねみーから明日やる。
あ、裕翔。Aのこと送ってってね。」

A「…………慧は？」

慧「だーから、俺はねみーの。もー寝んの。おやすみー。」

慧が駄々をこねながらベッドに寝転がる。

裕翔君が、仕方ないなー、と
言いながら笑っていた。

変なの。

他の男の子に私を送らせるなんて、
したことなかったのに。

違和感を感じつつ、
外に出ると生温い風が吹いていた。

もう夏がそこまで来ているみたいで、それに伴い近付く試験を思い出して憂鬱になる。

それが終われば夏休みだけど。