シグナルチェンジ…Kei.I… (ページ38)

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私はまた溜め息を吐きながら、

だけど後ろから抱き締められてる感覚が
なんだか気持ち良くて、
顔の前に回る慧の腕に顔を伏せた。

慧「やーらけ。」

一瞬、心臓が跳ねる。

慧の手が、二の腕から離れる。

その手が向かおうとしているところに、
全神経が向かう。

嫌だ。やめて。

でも、体が動かない。

目を思い切り閉じた瞬間、
慧は私から離れる。

私の手を掴むと私を立ち上がらせて、
手を持ったまま階段の方に向かう。

そのまま無言で階段を上ると、
慧の部屋の扉を開けた。

裕翔「あれ！Aちゃーん。なになに、どしたの？」

慧「特別ゲストー。裕翔、Aに会いたがってたじゃん。」

裕翔「うん。え、いのちゃんが呼んでくれたの？
珍しー！！」

慧「うん。俺めっちゃ気ぃ利くっしょ。」

A「何言ってんの。私がたまたま寄っただけじゃん。」

慧を睨むと、へら、と笑う。

酔った慧はいつもよりよく笑って、よく話す。

分かりやすく私に益々甘くなる。

私は鞄からスマホだけ取り出して、
鞄を慧のベッドに放ると、裕翔君の横に座る。

裕翔君がビールを口にしながら
私をじーっと見ていたので、

私は首を傾げて、ん？と問い掛けた。