今日:25 hit、昨日:2 hit、合計:101,623 hit
小｜中｜大
32 ページ32
私は立ち上がって窓へと向かう。
まさか、と思いながら
窓を開けて下を覗き込んだ。
そこには、
自転車に跨った慧がいた。
スマホをしまいながらいつもと同じように
口パクでおはよ、と口にする。
なんで、どうして。
色々溢れ出すけど声に出来ない言葉に、
私は間抜けな顔をしていたんだろう。
慧はへにゃりと笑って、
おいで、と言った。
A「彼女に怒られないの？」
慧の肩を持ちながら、
肩に顔を近付けて問いかける。
慧「――――。」
A「なに、聞こえない。」
慧「幼馴染み敵視するほど余裕なくない、だって。」
A「……あっそ。」
自転車をこぎながら
前を向く慧の声はうまく届かなくて、
2人とも大声になっていた。
やっぱりというか、
ステップにローファーで乗るのは
なかなかバランスが取りにくい。
必死で慧の肩を持つけど、
その慧の肩も汗で少し湿っている。
A「ね、キツい？」
慧「んー、てかおっもい。
A太ったんじゃね？」
A「ね、会話、しずらいね。」
慧「んー、なんも聞こえねー。」
A「ごめんね。」
A「もう、2人乗りしたいなんて言わないよ。」
慧「うはは、そりゃよかった。」
スカートが風に揺れる。
押さえるのが大変だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 361人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：環
| 作成日時：2018年4月22日 12時
