シグナルチェンジ…Kei.I… (ページ29)

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とりあえず門を出て、
スマホを手にする。

慧に発信しようか悩みながら、
慧の部屋を見上げた。

しっかりと、
遮光カーテンが閉め切られていた。

中の様子は分からない。

そして感じる違和感。

慧は、

カーテンを閉め切って出掛けたりしない。

そんな几帳面な性格じゃない。

窓の鍵すら閉めずに出掛けていたことすらある。

慧は、中にいる？

なんで、
じゃあなんで出ないの？

なんで、
カーテンなんて閉めて、
なんで。

一瞬、カーテンが揺れた。

窓は、閉まっている。

なんで。

心臓が大きく鳴る。

辿り着いた答え。

それに私は困惑してスマホを落とす。

慌てて拾って、走り出す。

(何してんの、)

私の家はどっちだっけ。

落ち着け。

とりあえず、ここから離れたい。

こんな、

こんなところからは、早く。

自分の部屋の扉を思いっきり閉めた。

鞄を椅子に放り投げる。

ベッドに座る。

心臓が早い。

馬鹿みたいに早い。

走ってきたから？

いや、そうじゃない。

さっき、彼処に慧はいた。

自分の部屋にいた。

だけど出なかった。