シグナルチェンジ…Kei.I… (ページ41)

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なんだ。

また、嘘をつかれたのか。

いつものことだ。

慧は、自分の彼女のことに関してはよく嘘をつく。

裕翔「…ショック？」

A「えーなんで？いつものことじゃん。」

裕翔「Aちゃん、いのちゃんのこと好きなんじゃないかなって思ってたから。」

A「…………………」

(何それ。)

違うでしょう。

慧が、私のことを好きなのに。

私が、慧を、好きなんて。

いや、そうなんだけど、違うでしょう。

A「まっさか。慧は家族みたいなもんだし。そんな風に思ったことない。」

言い終わるか終わらないかのところで扉が開く。

慧がビール瓶数本と、
オレンジのペットボトルを抱えていた。

私は、思わず瞬時に慧を見た。

慧「あー、お邪魔だった？」

裕翔「本当だよーいのちゃーん。もっと気ぃ使ってよー。」

A「ほんとだよー慧～。今いいとこだったのにー。」

慧「はい、ごめんね。」

A「何その冷めた感じ！むかつく！」

ごめんごめん、と笑いながら、
慧が私にペットボトルを差し出す。

私はそれを受け取る。

取る瞬間、慧の指が当たった。

硬い指。

そしてそれは、
すぐに離れてしまった。