ポプリ...a short story... (ページ18)

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涼介「…さみー…」

ぎょっとして、思わず上半身を起こして振り向く。

寝ぼけた目で涼介が私の腕を掴んでいた。

自分が寒いからって、私がかけていた布団を
持っていってしまうのが悪い。

明日風邪でも引いちゃえば良い。

さすがにお腹を冷やすのは可哀想だから、
少しだけ布団をお裾分けしてあげるけど。

手を振り払って、涼介に背を向けて布団を被り直す。

明日も仕事なんだから。

早く寝なくちゃ。

涼介「…ねぇ、俺、さみーんだけど」

A「知らない。早く寝て。私明日仕事だから」

涼介「つめたくね？

じゃあ、こうする」

そう言われて、後ろから熱が覆い被さった。

全く馴れ馴れしいにも程がある。

まとわりつく腕を振り払って、布団だけを被った。

情けを見せたのがいけなかったな。

布団、全部奪ってやる。

なー、俺の分の布団ねーんだけどー、

と言ってきても、
何も聞かなかったことにする。

一緒に寝たんだから、
それで十分でしょ。

涼介「ねぇ。
俺が風邪ひいてもいいんですか？」

A「勝手にひけば？」

涼介「…何、怒ってんの？」

A「怒ってない。寝る」

涼介「…俺のこと、嫌いなわけ？」

もう一度がばっと起きて、涼介を見下ろす。

馴れ馴れしいを通り越して、
今は憤りすら感じる。

私は、嫌いだったらキスもしないし、
こうやって一晩明かすこともない。

ただこれらの行為に好きとか嫌いとか、
涼介はそういう感情を持ち込んでいるの？

そうは思えないんだけど。