トルアイアングル...Ryosuke&Yuri... (ページ5)

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「ちょっとー！
Aは山田のものじゃないー！」

涼介「はいはいはいはい、

連れて帰んねーとAの家族に怒られんのは俺なんですーぅ！」

周りのブーイングを無視して、
Aを引っ張って教室を出た。

涼介｢とりあえず…泣くなブスだから｣

A｢ひっど…
泣いてる女の子にそんなこと言う？フツー｣

信じられない、というように
Aが目を見開く。

…本当は、昔からずっと、
Aの涙に弱いだけ。
それを辛辣な言葉で隠しただけ。

泣かれると困るんだよね、俺が。

涼介「母さんたちが俺ら置いて行ってたら、
まじAのせいな」

A「……ごめん」

学校を出て、
家までの道のりを歩きながら
Aは涙をセーターの袖で拭った。

涼介「うちのクラスもだったけどさー。

女子ってめちゃくちゃ泣くのな。
あれ、何？なんで？
別に永遠の別れってわけじゃなくね？」

A「…涼介は冷たいなぁ。

今日までずっと一緒だったのに、
明日からいきなり会えないんだよ？
寂しくないの？

…私だけ、学校遠いし」

涼介「や、だからさ、
別に会おうと思えばいつでも会えんでしょ？

てか、Aは受かったんだしいいじゃん。
俺フツーに落ちましたけど？」

自虐っぽく言ってはみるけど、
正直、俺は都立に落ちたことなんて全く気にしていない。

中学の同級生は
みんな地元にいるし、

Aなんて
どうせ隣に住んでんだし。

そんなお気楽な俺をAが少し睨んだ、
ような気がした。