トルアイアングル...Ryosuke&Yuri... (ページ30)

今日:13 hit、昨日:2 hit、合計:127,902 hit

30 ページ30

侑李「やっぱり。Aだ」

A「……侑、李？」

そこにいるはずのない相手に
驚いてその場で棒立ちになる。

A「なん、で…？」

侑李「え？誘われたんだよ。
花火見に来いって」

A「あ…じゃあ侑李も友達、と？」

なんだ。と、
どこかで落胆したうえに
心がザワつく自分に密かに驚いた。

侑李「…一応、待ってたんだけどね。

さっきまで」

A「さっきまで？」

侑李「うん。
さっき電話がかかってきて
好きな人と見れることになったから…

だってさ」

自分勝手なんだよ、全く。と
馴れているのか、
侑李は諦めたように肩をすくめた。

A「そっか…
残念だったね、折角来たのに」

侑李「まあ、でも男同士で花火見るっていうのも変だと思わない？」

A「ふふ、うん。
それは確かにそうかも」

男同士、という言葉に少しホッとして
控えめに笑った私に、

侑李がそっちは？と尋ねた。

侑李「侑李も、ってことは、
Aも待ち合わせだよね？

…もしかして、例の幼馴染み？」

A「あ……うん……、
そう、だったんだけど…」

歯切れ悪く答えて、
とりあえず笑ってみせる。

けど、その顔が引き攣っているのが
自分でも分かった。

A「へへ、侑李と一緒。

抜けれない用事出来たって、
ドタキャン、されちゃった」

どれ程の痛々しさを醸し出してしまったのか、
侑李が僅かに眉をひそめた。