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差し出されたグラスに、
絞りたてのレモンを注いで飲んだ。



レモンの爽やかな匂いと味が広がる。






……ファーストキスはレモンの味、

とか、言うんだっけ。









「美味しい……けど。でも、」









やっぱりファーストキスは、
レモンじゃなくて、トマトだった。








あの男の子の嫌いな、トマト味だったんだ。






そのサワーを飲み終えた頃に彼女が目を覚まして、
帰ろっか、と、なんとか立たせ、店を出た。





そのまま解散するには心配だったから、
途中でつかまえたタクシーに彼女を押し込み
家まで送った後、私は一人で帰る。









今夜はちょうど、音楽特番があって、

出演者の中には見たことのある男の子の名前があった。





さて、思わず録画をセットしてきたその番組を
家に帰って一人、見るとしようか。









ーーーーあのトマト嫌いの男の子も、
頑張ってることだろうから。








トマト味のファーストキスを分け合った、
あの男の子が、きっと。









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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 山田涼介   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2020年9月12日 19時

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