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父と母の顔は見なかった。
何を言われようと、もう戻れないから。
この胸の高鳴りを、情熱を信じていたいの。
私は式場を飛び出した。
幸せにしてもらうのを待つのではなく、
私は、幸せになりたい。
あの人と。
あの手の温もりも、まだ覚えている。
子供の頃の記憶なんかじゃない。
欲しいのは、今。
「A!」
式場を出ると、私を呼ぶ声がした。
ああ、この人だ。
来てくれたんだ。
「ごめん、俺…Aがあの男と結婚すれば幸せになれるって思ったけど。」
「でも、やっぱ駄目で。
考えただけで胸が痛くてたまんない。
忘れることも出来ないし、この先ずっとこんなの耐えらんねぇ。」
「……彼女とはちゃんと話して、別れたよ。
俺駄目なんだわAじゃないと。」
彼の想いはこちらの胸が痛むほど切なく届く。
この熱い眼差しも、私だけが知っていたい。
「あなたが好きです。」
そう言って、私の頬に触れた彼の手。
この手も唇も、
この人と重ねたい。
喜びも苦しみも、痛みも、
この人と分かち合っていきたい。
此れから先、全て。
ブラッディ・メアリー
END.
(※ Twitterにオマケ有)
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作者名:環 | 作成日時:2020年9月12日 19時