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彼は思い出話のように言う。
涼介「中学生の頃、本気で好きだった。
あんな気持ち初めてだったよ。
中途半端な気持ちで終わったから……
今でもこんな気持ちなのかなって思う。
でもあの日、偶然会ってさ、あの後電話したら、
出てくれたじゃん。」
彼は笑顔で言った。
とても優しい笑顔で。
涼介「電話、出てくれてありがとな。」
その笑顔が切なくて、泣きたい気持ちだったけど、
私も微笑んで言った。
A「……こちらこそ。
番号、残しておいてくれて、ありがとう。」
そのやり取りに何となく、
恋の終わりの匂いがした。
涼介「でも……、
正直俺どうしたらいいのか分かんなくなってて。
どっちを選ぶとか、誰と付き合うとか。
そういうのが。
……いつまでもこうしていられないって分かってても、
俺は結局、決断できなかった。」
「ーーーーーごめん。」
彼の口から、もう一度謝罪の言葉が出た瞬間、
私の口から言葉がついて出た。
A「私、結婚するね。」
そう声に出した瞬間、山田くんの顔が変わった。
前みたいに冗談を言ってくれた顔ではない。
困惑に満ちた顔で私を見た。
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作者名:環 | 作成日時:2020年9月12日 19時