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ただ、Aという女の子の存在は
俺の中で何とも比べられない特別な存在だった。
初めて付き合った子、というだけで終われない。
「前に……同級生って言ってた人、だよね?」
誰にも邪魔されずに二人きりで話がしたくて、
ホテルに入った。
だけどルームサービスでとった料理はちっとも美味く感じない。
大きな窓の外には、
東京の夜がきらきらと輝いて見える。
この街の何処かにAがいて、
今、誰のことを考えているだろう。
目の前の彼女の質問に、俺は正直に答える。
嘘を吐く必要なんてない。
涼介「そう。Aは同級生で……、
俺が初めて付き合った子だった。」
「あの日会ったのって、本当に偶然……?」
涼介「……なんで?偶然、だよ。」
彼女も窓の外を見ながら、
遠い目をして言った。
「…そうなんだ。偶然って、すごいね。」
みんなが思ってる。
あの偶然さえなければ何も起こらなかった。
変わらずにそれぞれ目の前の人を愛して、
穏やかに日々を過ごせただろうと。
「なんで…こんなことになっちゃったんだろうね。」
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作者名:環 | 作成日時:2020年9月12日 19時