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その言葉が引っ掛からなくはなかった。
けれど、
彼もまた、私と同じだったのだと思う。
現在の恋人と、
懐かしい初恋の相手と。
比べようと思っても比べることのできない想い。
それぞれとの楽しい思い出が、
幾つもあるはずなんだ。
会わないと実感できない。
触れないと確信できない。
本当のことだけに、寂しい。
「私も好き。」
なんて。
そんなこと言えなかったけど。
ーーーーーコンコン。
ドアをノックされて、はーい、と返事をする。
優太「お、元気そう。」
ドアを開けて入ってきたのは優太だった。
A「わ!どうして?」
優太「会社休んでるって聞いて、近くまで来たから。はい、これお見舞い。」
そう言って、紙袋を手渡した。
A「あ、プリンだ。」
優太「その程度のモノで悪いね。」
A「ううん、嬉しい!ありがとう。」
優太は、やさしい。
こうして一緒にいると、好きだなって思う。
この人の持つ暖かな雰囲気、穏やかな空気が、
まるで温室のように私を包む。
居心地が良くて、
そして愛されてることを実感する。
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作者名:環 | 作成日時:2020年9月12日 19時