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25...(side R) ページ25
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Aは俺の思い出の子で、
初めて付き合った子で。
すげー好きだったんだ、ずっと。
真面目でしっかりしてて、
ちょっと大人っぽかったけど
笑った時のあどけない表情が
めちゃくちゃ可愛かった。
今振り返ってみれば、
そりゃ中二なんて子供だったけど。
本当に好きだった。
でも、うまくいかなかったのは……
やっぱ子供だったから、だと思う。
年頃でもあったし、
そういう、欲は勿論あった。
でも。
Aを抱きたいけど、抱けなかった。
喧嘩したわけでもなく、
お互い嫌になったわけでもなく。
今でもよく分かんねー理由で
俺たちは離れてしまったから。
俺の中で、綺麗な思い出のままでありながら、
切なくて愛しくて、
触れたくて、
もう一度抱きしめたくて。
どこかで、彼女を求めていた。
そのままずっと、会わなかったら
俺はなんとかやっていけたかもしれない。
だけど、会ってしまった。
あの日。
本当に偶然だった。
あんなに大勢の人がいる中で、
もう一度会いたかった人に出会えた。
それは、どんなにすごいことだろう。
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作者名：環
| 作成日時：2020年9月12日 19時
