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それでもなんだか、二人向かい合って
注文した料理を待つ時間こそが、
あの頃の私にとって
『デート』という感じでいっぱいだったんだ。
大丈夫かな、
うまく女の子らしくできてるかな、
変なことしてないかな、
そんな不安と心配、
好きな人と二人きりで過ごす時間が
甘酸っぱくて楽しくてどきどきして仕方なかった。
くるくるとスプーンの上でパスタをからめてると、
山田くんが言った。
涼介「よくそんな赤いの食べれるよなー。」
A「なに、赤いのって。」
私は笑った。
A「普通のトマトソースじゃん、おいしいよー?」
涼介「あー、まじ無理無理。
俺それ食えねー。トマト嫌いだもん。」
A「え、そうなの?」
そう言われてみると、一緒に頼んだサラダのトマトに
ひとつも手を出していないことに気付く。
A「じゃ、このトマト、私食べちゃっていい?」
涼介「おー、食ってくれ。いや、もうむしろ食ってください。」
本当に嫌そうな顔をして
トマトの入ったサラダのお皿を差し出してきて、
私は小さく笑った。
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作者名:環 | 作成日時:2020年9月12日 19時