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……ダメだ。
勘付かれちゃダメ。
笑って。
笑わなきゃ。
A「……そ、れで、なんで此処に？
あ、もしかして手伝いに来てくれたんですか？」
うまく笑えなくても、私にはそれしかない。
何でもない振りをして、今まで通りに会話をして。
そうしていれば、
きっといつかそれが本当になるはずだから。
A「あ、はは！先輩、そんな気遣いが出来る人でしたっけ？大丈夫ですよー、元々緑化委員の仕事なんて一人でも出来る量なんだし！」
光「うん、知ってる。」
A「ですよねー？なんだ、ただ遊びに来ただけなら…、」
光「A。」
遮られるように名前を呼ばれた。
それ以上、何も言わせないかのように、
先輩は真っ直ぐに私を見つめた。
光「話があって。」
いやだ。
何も知りたくない。
あの人とどうなったかなんて、
先輩の口から聞きたくない。
報告なんていらない。
もう嘘でも笑える自信がない。
話があると言った先輩は、
それから何も言わなかった。
私が俯いたまま、先輩を見ていなかったから。
だって、どうしろっていうの。
先輩の顔を見ながら、
話なんて聞けるわけがない。
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作者名：環
| 作成日時：2019年11月6日 20時
