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「ぎゃー！何これ超こぇぇーーーー！！」
「いやいやいや、大したことないっしょ？ほら、見てみろって！」
「だぁから俺ホラー物苦手だっつってんだろ！」
「まーまーまー、逃げんな。」
「逃げるわ！つーかなんで追いかけてくんだよ！こっち来んなぁぁぁぁ！！」
校舎を繋ぐ渡り廊下で目にしたのは、
大声で騒ぐ男子数人。
ホラーが苦手な一人に怖い動画を見せて面白がっている。
宏太「本当にアレでいいの？Aさん。」
A「………そうですね…。」
隣から聞こえた声に、
騒ぐ彼らを見たまま返事をする。
この人が現れるのはいつも突然だから、もう慣れてしまった。
宏太「うるさくてうざくて面倒だぞアイツ。」
A「薮先輩、相変わらず容赦ないですね。」
宏太「Aさん、光には勿体無いと思うんだけどなー。」
A「それ褒められてます？」
宏太「褒めてる褒めてる。傷心のAさんを俺がもらってあげようかと思ったくらいには、イイ女だと思ってたから。」
A「そうですか。それは光栄です。」
宏太「Aさんも相変わらずクールだねぇ。俺、結構本気よ？」
薮先輩はニッコリと笑みを浮かべて、楽しそうに私の反応を待つ。
私がなんて答えるかなんて、分かってるくせに。
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作者名：環
| 作成日時：2019年11月6日 20時
