キラキラヒカル②…Hikaru.Y… (ページ32)

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街の中は色とりどりのイルミネーションに囲まれていた。

赤と白の服を着て風船を配るサンタと、
赤い鼻を付けたトナカイ。

集まってくる子供たち。

陽気で軽快な音楽が響き渡る。

道行く人たちは皆、幸せそうに笑い合って、
今日という日を楽しんでいる。

待ち合わせに指定した駅前のベンチで、
私は八乙女先輩が来るのを待っていた。

『あいつは単純バカだから、いろんなこと一遍に考えらんねーんだよな。』

薮先輩と話してから、
クリスマスの前までずっと考えていた。

私は何をすべきか。

八乙女先輩に、何を伝えるべきか。

『気持ち切り替えようって気はあったんだろーな。
だからAさんとも会ってたんだと思うし。』

どうして何も言ってくれなかったのか、って、
怒っても良かったのかもしれない。

それでも、やっぱり何も聞かずに、何も知らない振りをしたまま、傍にいることだって出来た。

『突然のことに弱いんだよな。もう忘れたと思ってたのに思わぬところで彼女見かけて、ぐらついてんじゃない？』

付き合ってはいなくても。

八乙女先輩の真面目な性格上、私という存在があるまま、前の彼女の元へは戻らない。

何もキッカケがなければ、
私が今まで通りに接していれば、

彼女からの誘いだって、
断り続けてくれるのだろう。

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