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A「いきなり神妙な顔で謝ってくるから、何事かと思いましたよ。」
光「…だってさ……、」
落とした場所は…
もしかしたら、と思っている場所がある。
でも、私はそれを口にしたくなくて。
一緒に出掛けた日。
キーホルダーを鍵につけようとして、
予想外の人を見つけて。
先輩は慌てて別の道へ逃げ込んだから。
両手に持っていた鍵とキーホルダーを鞄に入れようとしたとき、手元から滑り落ちたんじゃないか、と思う。
その時にはもう、先輩の頭の中は別のことでいっぱいになっていたから。
A「…じゃあ今度、飲み物でもおごってください。それでチャラってことで。」
光「お、おう！そんなんでいいならいくらでも！」
A「いくらでも？」
光「、待って。
……やっぱり上限ありでお願いシマス。」
A「あははっ。」
あの日からも、私たちは何も変わらない。
少なくとも私はそう接しているつもりだけど。
日に日に、先輩との距離が離れていくように思えるのは…
先輩の想いを再確認してしまった私自身の、
未だ消えない戸惑いのせいだろうか。
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作者名：環
| 作成日時：2019年7月17日 22時
