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A「あれ、先輩、それ何の鍵ですか？
なにじっと見て……、」
光「いや…この鍵なんもつけてねーし、何かつけよっかなーって思って。」
A「………。」
光「………。」
A「……ふ、ははっ、別に気を遣ってキーホルダー使ってくれようとしなくてもいいですよ！」
光「ばかおまえちっげーよ！気遣うとかじゃなくて！丁度いいじゃんって思っただけ！」
A「っ……まあ、そうですよね。
そのままだと鍵、無くしちゃいそうですもんね。」
光「そうそうそう、そうだよ。だから……、」
A「……八乙女先輩？」
鍵とキーホルダーを手に持ったまま、
先輩の言葉が止まった。
どうしたのかと見上げると、
その視線は私の後ろへ向かっている。
A「先輩、どうかし……っわ！」
その視線を追おうとして、振り向こうとした瞬間。
腕を引っ張られ、そのまま目の前にあった細い道に入った。
先輩は目に見えて動揺していて、視線をうろうろ彷徨わせながら、無意識に息を整えようとしている。
そして、私がその行動の意味を問うよりも前に、入り込んだ道から、先程まで私たちが居た場所を覗き込んでいた。
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作者名：環
| 作成日時：2019年7月17日 22時
