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A「試してみてください。本当に恋愛、出来ないのか。」
光「A……。」
A「付き合えってことじゃなくて。
ちょっと意識してくれればいいんです。お試し期間ってやつ?」
光「おまえそれ、ずりぃよ。」
A「え?」
光「意識なんて、するに決まってんだろ……!」
彼女を想う、今にもとろけてしまいそうな顔。
自分に対する態度が冷たいと怒る、不満そうな顔。
友達とバカやって、思い出しながら浮かべる楽しそうな顔。
いろんな先輩を見てきたけれど。
見て分かるほどに真っ赤になって、
行き場のない視線を泳がせる。
こんな先輩は、初めて。
A「…良い傾向じゃないですか。どーぞ、どんどん意識してください。」
光「おまえ、いつの間にそんな大胆な奴に……!」
A「恋愛は人を変えるのかもしれないですねー?」
光「っ……、」
先輩が彼女の話をしてるとき、
ここまで逆上せるかってくらいに、その人に夢中だった。
いくら続けても尽きることがない話。
友達にうざったいって煙たがられるくらい、
周りが見えていなくて。
恋愛ってどういうものだろうと考えていた。
こんなに人を好きになれるものなのか、と思っていた。
あんなに呆れていたのに、
今ならその気持ちが少しだけ分かる気がする。
なんて。
そう思う自分がなんだか可笑しくて、
思わず笑みが零れた。
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作者名:環 | 作成日時:2019年4月14日 10時